コワくないオカルト小説、二本立てで連載中!! 気になるお笑い芸人のオハナシも、地味に暴走しているよ!!
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 僕らがまだ、ほんの子供だった頃の話だ。
 タスクおじさんは、時々、こんなことを口にした。
「……俺が有名になったとしても、俺のやってることは、きっとうまく伝わらないんだろうな」
 今にして思えば、おじさんは、自分がいつか有名になることを、知っていたのだ。

「どうして?」と、訊いたことがある。
 周囲の大人が、この叔父をどう思っているのか。子供なりに、解っていたつもりだった。その上で、でも僕らだけには伝わるよ、と言いたかったからだ。
 だから僕らは、こう約束した。
「もしおじさんが有名になって、新聞とかニュースに出ても、絶対に見ないよ」
 新聞なんてテレビ欄しか見ないし、ニュースなんか興味もないのに。いや、だからこそ、約束したのだ。『中原佑』なんて名前を見つけたら、見たくなるに決まっている。
「他人の言うことなんか、信じないよ。だから、もし有名になったら、絶対に知らせてよね」
 つまり僕らは、つまらない文章やナレーションで、僕らが抱く『中原佑』のイメージを、ブチ壊されたくなかったのだ。

『我が弟ながら、一体何を考えてるんだか、さっぱり解らん』
 タスクおじさんの話題になると、父が決まって言ったように。フツーのオトナなんかに、おじさんのことが解る訳がない。だってこの人は、フツーのオトナとは違う世界で生きてるんだから。

 僕は、オトナが大嫌いだった。だから、タスクおじさんに、フツーのオトナを見返して欲しかった。
 叔父が一体何のためにそんなことをしているかも、知らなかったのに。
 
 僕が知っている『タスクおじさん』は、いつも、どこかの地面を掘っていた。それが仕事なのか、ただの趣味なのかは分からない。誰も教えてくれなかったし、僕も訊かなかった。
 なぜなら。
〈タスクおじさんは考古学の教授の助手をしていて、研究のためにサンプルを集めている。〉とか。
〈何かの工事をするために、地質を調べる仕事をしている。〉とか。
 そんな現実的な話をされたら、夢が壊れる。
 だから、例えば。
〈タスクおじさんは実は宇宙人で、地底王国を作るために、何か色々やってる。〉
 そんな話なら面白いから、僕らで勝手に、どういう国なのかとか、そこに住んでいい人だとか、その国の法律なんかも(学校はなくて一日中遊んでいていい、とか)考えたりした。

 タスクおじさんには、正体不明の、謎の人物でいて欲しかった。

「タスクは、マイウェイでアウトローだからな」
 父の言葉を良い意味に受け取って、僕らは、タスクおじさんをヒーローのように思っていた。それが決して褒め言葉じゃないことを知っても、周りの大人のインチキが見えるようになっても。
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2008/08/31(日) 00:01 | | #[ 編集]
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