コワくないオカルト小説、二本立てで連載中!! 気になるお笑い芸人のオハナシも、地味に暴走しているよ!!
宮尾英次、19歳。交通事故のため、現場にて即死。
「ちょーっとトーマ!! 何モタモタしてんだよ、もうコア出てるよほら!!」
「……あ、すいません」
「じゃあ今度はボクがデータ照合やるから、リードの方、やって!!」
「……はい」
2件目の回収は、俺を再び憂鬱にさせた。
俺はすでに、1件目のショックからは立ち直っていた。俺が『実行』ボタンを押した途端、爺さんの実質的な死が確定されたことについて、だ。
なんだか俺は、自分が爺さんを殺してしまったような気がしてならなかったんだ。
ハンディスキャナは無機質な音を立てて、データを記したラベルを排出し、水野サンはテキパキと、爺さんのコアを回収した。コア、つまり魂は、吸引機のような物(コアリーダー)で、密閉容器(コアケース)に詰め込まれる。その一連の作業を、リード、またはリーディングと呼ぶのだ。
あのね、トーマ。と、水野サンは言った。
「ボクらが何もしないで放っておいても、爺さんは死ぬの。
死神なんて呼ばれてても、生き死にを左右する力なんか、ないの。
ボクらにできるのは、ただ集めて、運ぶだけ」
そう、俺の仕事は、要するに廃品回収だ。いや厳密には、廃品は肉体の方なのだが……細かいことはまぁいい。とにかく、それに関しては、俺の中で整理はついた。
もし宮尾が、19歳以外の年齢で、バイクにも乗ってなかったら。俺はここまで、憂鬱にはならなかっただろう。
つまり俺は、宮尾英次の死に、自分を見たのだ。
「ちょーっとトーマ!! 何モタモタしてんだよ、もうコア出てるよほら!!」
「……あ、すいません」
「じゃあ今度はボクがデータ照合やるから、リードの方、やって!!」
「……はい」
2件目の回収は、俺を再び憂鬱にさせた。
俺はすでに、1件目のショックからは立ち直っていた。俺が『実行』ボタンを押した途端、爺さんの実質的な死が確定されたことについて、だ。
なんだか俺は、自分が爺さんを殺してしまったような気がしてならなかったんだ。
ハンディスキャナは無機質な音を立てて、データを記したラベルを排出し、水野サンはテキパキと、爺さんのコアを回収した。コア、つまり魂は、吸引機のような物(コアリーダー)で、密閉容器(コアケース)に詰め込まれる。その一連の作業を、リード、またはリーディングと呼ぶのだ。
あのね、トーマ。と、水野サンは言った。
「ボクらが何もしないで放っておいても、爺さんは死ぬの。
死神なんて呼ばれてても、生き死にを左右する力なんか、ないの。
ボクらにできるのは、ただ集めて、運ぶだけ」
そう、俺の仕事は、要するに廃品回収だ。いや厳密には、廃品は肉体の方なのだが……細かいことはまぁいい。とにかく、それに関しては、俺の中で整理はついた。
もし宮尾が、19歳以外の年齢で、バイクにも乗ってなかったら。俺はここまで、憂鬱にはならなかっただろう。
つまり俺は、宮尾英次の死に、自分を見たのだ。
どの業務につく者も、5分前行動を原則とする
この社内規定のおかげで、俺は、宮尾英次の事故の、一部始終を見た。
あっという間の、出来事だった。交差点で、宮尾の乗ったバイクと、ダンプカーが衝突した。宮尾はバイクごと吹っ飛んで、地面に叩きつけられると同時に、その肉体を抜け出した。
《……あれ? ……ちょっとマジで?》
宮尾がその状況を理解するまで、時間はかからなかった。
《……ちょっと待ってよ、何コレ、シャレになんねぇんだけど!!》
「ちょーっとトーマ!! 何モタモタしてんだよ、もうコア出てるよほら!!」
水野サンの声で、俺はふと、我に返った。
「……あ、すいません」
「じゃあ今度はボクがデータ照合やるから、リードの方、やって!!」
「……はい」
《……嘘だろ!? なんで俺が死ななきゃなんねぇの!? 信号無視したのはあっちなのに、なんでアイツは生きてて、俺だけ死ぬんだよ!?》
できれば、耳を塞ぎたかった。宮尾には俺の姿が見えないのが、せめてもの救いだった。
俺は黙々とリーディングを済ませ、コアケースにラベルを貼った。
手袋をしても伝わってくる、その中身の生温かさに、俺は当分、慣れそうもない。
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